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写植の現場から
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 出版印刷業界の一員として、写植の日常の現場で何が起きているのか、何を追求していったらいいのかを模索し、ネットワークを広げていくための不定期コラムです。
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InDesignはじめました

(株) Station S 代表取締役社長 関根知之

当社の経歴から、今日まで写研一辺倒でした。しかし、その間にMacを一度も考えたことがないわけではありませんでした。

皆さんがよく言う「写研は高いから」という通り、当社もそう考えていました。ですから、最終出力は写研でも、その前の工程では安くて、早くて、安全な加工ができるものはないかと、いつも考えておりました。

Macのソフトのバージョンアップのたびに私どもにも案内状が届きます。急いで見学に行きます。

「○○○はできるの?」と聞きますと「できません」との答えです。それでは今回も見送りだということになります。

当社の主力は書籍を大量に組めることです。

初校を組むときに問題のない組版でも、赤字が戻ってくると、「○○○も×××も組み込まないと」という場面にたびたび遭遇します。ですから、Macを採用するには何度もその機会がありながら難点が残り、多種多様な書籍に対応すべくQuarkの完全制覇とまではいけませんでした。

しかし、出版業界で生き残るためには、Macとのかかわりを持たないとダメという常識もわかっていました。

そこで、OS XでInDesignになったときに当社でも本格的にInDesignの研究に入り、今までの組版の知識を活かして一冊も二冊もInDesignで組み上げるまでになりました。

しかし、InDesignが良くなったとはいえ、今までの写研の組版(SAPCOL=サプコル)と同じような手軽さでできるわけではありません。InDesignの中でも“縦中横”という組版オプションが出てきます。これはSAPCOLで使われていたファンクションの呼び名です。確かにQuarkよりは便利に使えるようになったのですが、あれも出来ない、これも手間がかかるなど、問題も多いのです。でもInDesignのニーズがあるのも事実です。

私は、印刷するなら、やはり写研のほうがいいのだという結論です。
「写研は高い」というのですが、今、私どもでもMacでの価格に近いくらいの加工費で仕事もしておりますので、ご相談させてください。少しでも高いほうがいいには決まっていますが……。

(2003/4/25発表)

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